ガラ美 30年の軌跡 ~コレクションヒストリー~

当館は、陶芸や漆芸、金工、染織など伝統工芸が盛んな石川県において、工芸の新たな分野と期待されたガラス芸術の情報発信基地となるべく、石川県の協力のもと旧能登島町により設置されました。開館に向けて中国清朝ガラスと20世紀の巨匠のデザインを基に制作されたイタリアのガラス造形作品(石川県からの寄託) を収蔵し、屋外庭園には大型ガラス彫刻作品を設置して、1991年7月にオープン。以降、30年以上におよぶ収集活動(購入や寄贈、寄託)によって、国内外で活躍する現代作家の作品も充実してきています。本展では収蔵品から優品を紹介し、コレクション形成のあゆみをご覧いただきます。

出品目録PDF

 

展示構成

第1章. 20世紀の巨匠とガラス

イタリアのエジディオ・コスタンチーニ(1912-2007)は、ヴェネチアン・ガラスの再興と新たなガラス芸術の創造を目指し、ヴェネチアの熟練したガラス職人と20世紀を代表する巨匠たちとのコラボレーションをプロデュースしました。パブロ・ピカソ(1881-1973)、ジャン・アルプ(1887-1966)、ジャン・コクトー(1889-1963)など、巨匠たちのガラス造形作品は当館に寄託され、開館当時から展示保管しています。

おどけたふくろう/エジディオ・コスタンチーニ(パブロ・ピカソのデザインにもとづいて)/1962年/撮影:品野与四寛
二組の人形/エジディオ・コスタンチーニ(ジャン・アルプのデザインにもとづいて)/1963年/撮影:品野与四寛
ともに石川県立美術館蔵

 

第2章. 展覧会をきっかけに

開館以後、当館は国内外で活躍する現代ガラス作家の作品の収集に乗り出します。そこには収集の足掛かりとなった2つの公募展がありました。「日本現代ガラス展・能登島」、「国際ガラス展・金沢」の出品作品が寄贈や購入により、収蔵品に加わりました。また当館主催の企画展へ出品いただいたのち、作家ご本人からご寄贈いただく機会にも恵まれました。本章ではこれらの作品とともに、寄託作品をあわせて紹介します。

「壁」/張慶南/2002年/撮影:吉尾大輔
THE MAN/ヤン・フィシャル/1994年
ともに石川県能登島ガラス美術館蔵

 

第3章. コレクター、作家のご厚意

博物館や美術館では、主に購入・寄贈・寄託といった方法をとりながら収集活動を行っています。開催する展覧会が収集に繋がることもあれば、日頃の地道な活動に理解を寄せる方から寄贈を受けることもあります。当館のコレクションは、誰もが親しむことができる公共の財産として、縁ある作家をはじめ、美術館活動への理解や信頼、期待を持って寄贈していただいた方々のご厚意に支えられ、豊かに形成されています。

葡萄文三ツ脚蓋物/日本/1898-1926年
琥珀金彩硝子花器/岩田藤七/1980年頃/撮影:岡村喜知郎
ともに石川県能登島ガラス美術館蔵

 

第4章. 購入による作品収集

購入による収集は、美術館が自発的にコレクションの充実を図る重要な機会となっています。当館では「歴史的・世界的に評価されたガラス芸術作品等」を収集方針に掲げ、開館以降、国内外の作品を、時代やジャンルを問わず、幅広く購入、収蔵してきました。限られた予算のなか、常にアンテナを張りめぐらせて情報収集を行い、当館のコレクションに何を加えるべきか考え、購入作品を選定しています。

KISS/パヴェル・フラヴァ/1999年/撮影:岡村喜知郎
白地藍被楼閣文瓶/中国/清時代・18世紀/撮影:岡村喜知郎
ともに石川県能登島ガラス美術館蔵

 

 

会  期 2023年9月30日(土)-11月26日(日)
開館時間 9:00-17:00
※入館は閉館の30分前まで
休 館 日 毎月第3火曜日
観 覧 料 一般500(400)円、大学生350円(300円)、高校生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
主  催 石川県能登島ガラス美術館(公益財団法人七尾美術財団)

 

 

関連プログラム

ギャラリートーク
日 時 2023年11月5日(日) 13:30- (所要時間 約60分)
会 場 展示室内

参加費 無料 (大学生以上は要当日観覧料)

 

スライドレクチャー
日 時 2023年11月19日(日) 10:30-、13:30- (所要時間 約30分)
会 場 当館別棟
定 員 先着15名
参加費 無料

 

会期中のイベント

ランプワーク・デモンストレーション2023
日 時 2023年10月7日(土)、8日(日)  各日10:00-16:00
会 場 当館別棟2階
参加費 無料