~ダリも魅せられた神秘の技法~ パート・ド・ヴェール展

会  期 2015年12月19日(土)~2016年4月3日(日)
開催時間 9:00~16:30(4月からは17:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休 館 日 年末年始:2015年12月29日(火)~2016年1月1日(金)、1月19日(火)
2月16日(火)、3月15日(火)
入 館 料 高校生以上 800円 団体(20名以上)700円 中学生以下無料
会  場 展示室A、D ※展示室B、Cでは常設展示を開催
主  催 公益財団法人七尾美術財団、七尾市
協  力 公益財団法人諸橋近代美術館、ガラスギャラリー カラニス
後  援 NHK金沢放送局、北陸放送、石川テレビ放送、テレビ金沢、エフエム石川、ラジオななお

 

仏語で“ガラスの練り粉”を意味する「パート・ド・ヴェール」とは、細かく砕いたガラスを窯で加熱し、溶かし、固めるガラス技法の名称です。古代から現代まで衰退と復興を繰り返したため、“幻の技法”、“秘伝の技法”とも言われました。

本展では、パート・ド・ヴェール技法で創作活動をおこなう現代作家6名の作品をはじめ、20世紀を代表する芸術家サルバドール・ダリがフランスのガラス会社ドーム社の依頼でデザインを行ったガラス作品をあわせた約40点を展示し、パート・ド・ヴェール技法による神秘的なガラス造形の魅力をご紹介します。 

展覧会チラシ PDFファイル

 

作家紹介

安藤 ひかり Hikari ANDO
1962年  東京都生まれ
1974年~ 画家吉加江京司氏に師事し、油彩画を学ぶ
1984年  女子美術短期大学専攻科陶芸専攻卒業
1992年  東京ガラス工芸研究所卒業
1994年  日本現代ガラス展1994(東京都、石川県)入選
1995年  NEW GLASS REVIEW 17.20.21 (コーニングガラス美術館)入選
1996年  ’96日本現代ガラス展・能登島(石川県能登島ガラス美術館)奨励賞受賞
2005年  ガラスのかたち展(金津創作の森)出品、ひとのかたち展(志賀高原ロマン美術館)出品
2008年  「家庭ガラス工房 キルンワーク」(ほるぷ出版)に制作協力

現在、各地で個展等を開催。長野県在住

Himawari「ひまわり」1998年、個人蔵

 

the box for bridde「花嫁の小箱」2014年、個人蔵

今井 茉里絵 Marie IMAI
1982年 京都府生まれ
2001年 京都市立銅駝美術工芸高等学校陶芸科卒業
2005年 倉敷芸術科学大学芸術学部工芸学科ガラスコース卒業
2007年 富山ガラス造形研究所造形科卒業
2009年 富山ガラス造形研究所研究科卒業
2011年 第4回現代ガラス大賞展・富山2011(富山県)入選、CRAFT@KUROBI 若手クラフト作家展(黒部市美術館)出品
2013年 富山ガラス造形研究所助手勤務
2014年 第54回日本クラフト(東京都)入選
伊丹国際クラフト展(兵庫県)入選

現在、各地で個展等を開催。静岡県在住

 

内田 邦太郎 Kunitaro UCHIDA
1942年 京都生まれ
1967年 東京藝術大学美術学部工芸科鋳金専攻卒業、大阪市立工業試験場無機化学課ガラス研究室に入所し、色ガラスの調合研究をする
1968年 三友ガラス工芸株式会社入社、吹きガラス技法を学ぶ(~73年)
1976年 パート・ド・ヴェール技法の再現に成功
1987年 アート・グラス・オブ・ジャパン展(アメリカ)招待出品
1990年 朝日現代クラフト展ガラス部門招待出品
1992年 「幻想と色と形 内田邦太郎パート・ド・ヴェール作品集」出版
2007年 企画展 内田邦太郎展(古川美術館・爲三郎記念館)出品
現在、各地で個展などを開催。千葉県在住

lamp stand「ピンクグリーン彩蝋流し文ループ付ランプスタンド」2007年、個人蔵

 

rain「雨」2013年、個人蔵

加藤 尚子 Naoko KATO
1972年 神奈川県生まれ
1996年 女子美術大学芸術学部工芸学科卒業
1998年 グラスアートクラス代官山講師(~00年)
2015年 第6回現代ガラス展 in 山陽小野田(山口県)審査員賞受賞
現在、女子美術大学芸術学部デザイン・工芸科 非常勤講師として勤務(01年~)
各地で個展などを開催。神奈川県在住

 

高橋 まき子 Makiko TAKAHASHI
1976年 神奈川県生まれ
1998年 武蔵野美術大学短期大学部工芸デザイン科卒業
2000年 東京ガラス工芸研究所卒業
2004年 国際ガラス展・金沢2004(石川県)入選
2005年 第2回かわさき現代ガラス展入選(神奈川県)、第2回現代ガラス大賞展・富山2005(富山県)入選
2006年 第3回現代ガラス展 in おのだ(山口県)入選
2008年 第3回現代ガラス大賞展・富山2008(富山県)入選
2010年 神奈川県にスタジオ「バウグラス」を設立
2015年 第6回現代ガラス展 in 山陽小野田(山口県)入選
現在、各地で個展などを開催。神奈川県在住

MakikoTAKAHASHI「風の化身」2014年、個人蔵

 

charming lady「チャーミングレディー」2013年、個人蔵

西 悦子 Etsuko NISHI
1955年 兵庫県生まれ
1983年 プラットファインアート学校ガラス専攻(アメリカ)修了、ピルチェックガラス学校(アメリカ)で学ぶ(~85年、87年)
1990年 オーストラリア国立大学大学院ガラス専攻修了
1997年 第1回現代ガラスの美展 IN 薩摩(鹿児島県)鹿児島県知事賞受賞
1999年 王立芸術大学大学院(イギリス)準博士課程修了
2000年 拓殖大学工学部工業デザイン科非常勤講師(~05年)
2001年 国際ガラス展・金沢2001(石川県)パヴェル・フラバ賞受賞
2012年 日本とアメリカのガラスマスターズ展(アメリカ)
2014年 GLASS WAY RIGA-TOKYO 展(ラトピア)
現在、大阪芸術大学工芸科ガラスコース非常勤講師として勤務(05年~)
国内外で個展などを開催 神奈川県在住

 

ダリとドームの共同制作

1960年代ドーム社では、製造部門長のアントワーヌ・フロワッサールを中心にパート・ド・ヴェール技法の再興と製造技術の改良を行い、1968年頃から実際に作品をつくりはじめました。パート・ド・ヴェール技法は鋳型を使用するため、デザイナー自身が直接鋳型の原型となる作品を作り込むことが出来、また作品の量産が可能です。当時、経営を担当していたジャック・ドームは、サルバドール・ダリをはじめとする芸術家にデザインの提供を依頼し、パート・ド・ヴェール技法でガラス作品を制作しました。

サルバドール・ダリ Salvador DAli
1904年、スペイン・カタルーニャ北東部フィゲラスに生まれ。
マドリードのサン・フェルナンド王立美術アカデミーで学ぶ。在学中にフロイトの『夢判断』を読み、夢の精神分析に啓示を受け「偏執狂的批判的方法」と称する技法を発見。その後、『記憶の固執(柔らかい時計)』(1931年、ニューヨーク近代美術館蔵)などを描き、シュルレアリスム後期の代表的作家となる。1989年に84歳で死去。

ドーム社 (1978年~
1878年、ジャン・ドーム(Jean DAUM、1825-1885)がフランス・ナンシーで創設したガラス用品製造会社。
その後、長男 オーギュスト・ドーム(Auguste DAUM、1853-1909)が経営、弟アントナン・ドーム(Antonin Daum、1864-1930)が美術面や技術改良を担当する2人体制を行い、会社は大きく発展した。

 

会期中のイベント・ワークショップ

スペシャルイベント
ガラ美の見どころトーク
日 時  毎月第3日曜日 14:00~
参加費  無料(高校生以上の方は別途入館料が必要)  

ガラ美でほっこり♪ガラス彫刻体験
日 時  毎週土曜日 13:30~15:30
     日曜日 10:00~12:00
     ※1月2日(土)、3日(日)、10日(日)は1日開催
参加費  300円 (高校生以上の方は別途入館料が必要)