ヴェネチアン・グラス ~美しきガラスへの憧憬~

会  期 2016年9月10日(土)~2016年11月20日(日)
開館時間 9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休 館 日 第3火曜日 (9月20日、10月18日、11月15日)
入 館 料 個人 800円、 団体(20名以上) 700円、 中学生以下無料
会  場 展示室A・D
主  催 公益財団法人七尾美術財団、七尾市
協  力 石川県立美術館、神戸市立博物館、サントリー美術館
町田市立博物館、まほろば瑠璃ノイエ *50音順
後  援 NHK金沢放送局、北陸放送、石川テレビ放送、テレビ金沢
エフエム石川、ラジオななお

 

イタリア北東部に位置するヴェネチアは、ヨーロッパと東方とを結ぶ拠点として栄え、それら地域の発達した技術や文化を取り入れ発展しました。ガラス工芸もその一つであり、15世紀には、限りなく無色透明な輝きを放つガラス「クリスタッロ」や、独自の線模様による装飾「レースグラス」が誕生し、繊細で優美な造形を持つガラス器は、ヨーロッパ諸国の王侯貴族たちを魅了しました。16世紀になると、門外不出とされたガラス製法が流出したことによって「ファソン・ド・ヴニーズ」と呼ばれるヴェネチア様式のガラスがヨーロッパ諸国で作られ始めます。また、日本においても南蛮貿易をきっかけにヴェネチアン・グラスの影響を受けたヨーロッパのガラス器が舶載され、日本のガラス製造にも影響を及ぼしたと考えられています。

本展では、ヴェネチアン・グラスをはじめ、16世紀以降にヨーロッパで製造されたヴェネチア様式のガラス器、ならびに日本へもたらされたヨーロッパ製のガラス器等、全39点を展示し、人々を魅了したヴェネチアン・グラスの美の精華を紹介します。

展覧会チラシ PDFファイル

 

展覧会の特徴

繊細優美なヴェネチアン・グラスの名品
エナメル彩や金彩を用いた装飾、溶けたガラスを巧みに操るホットワーク技法を用いて施された緻密で繊細な装飾や、超絶的な技巧によって生み出された造形によって、ヴェネチアン・グラスはヨーロッパの王侯貴族を魅了していきました。15世紀に発明された限りなく無色透明なガラス素地「クリスタッロ」の登場もまた、ヴェネチアン・グラスの発展に大きく寄与しました。「これぞヴェネチアン・グラス」という名品をとおして、その美に触れてください。

ヨーロッパ諸国で製造された「ファソン・ド・ヴニーズ」のガラス器
16世紀になると門外不出とされていたヴェネチアのガラス製造法が流出し始め、ヴェネチアン・グラスは各地で模倣されるようになります。こうして生まれたガラス器は、フランス語でヴェネチア様式を意味する「ファソン・ド・ヴニーズ」と呼ばれ流行し、ヨーロッパ各地の独自の特徴と融合して、その土地ならではの様式を生み出しました。本展では、スペイン、ドイツ、イギリス、ネーデルラント(オランダ)等で製造されたファソン・ド・ヴニーズのガラス器を紹介します。

初公開の和ガラス関連作品
ファソン・ド・ヴニーズのガラス器は日本にももたらされ、和ガラスにもヴェネチアン・グラスとの共通点が見られます。今回、ヴェネチアン・グラスが和ガラスに与えた影響を紹介する中で、江戸中期にオランダから舶載された「グラヴィール阿蘭陀船文脚付ガラス杯」、ならびに、輸入されたヨーロッパ製ガラス器を手本に長崎で製造されたと思われる「金彩紫色花綱文栓付ガラス徳利」の2点の新出作品を出展することがかないました。ぜひこの機会に初公開となる作品をご覧ください。

 

作品紹介

レースグラス蓋付ゴブレット レースグラス蓋付ゴブレット
ヴェネチア、16世紀、石川県立美術館蔵
船形水差 船形水差
ヴェネチア、16-17世紀、サントリー美術館蔵
ゴブレットゴブレット
ヴェネチア、16世紀末、サントリー美術館蔵

 

会期中のイベント

のとじま“ガラスの丘”プロジェクト
ガラ美キッズ・こども学芸員
日 時  10月2日(日)13:30~16:30
定 員  10名
講 師  当館学芸員