吉祥文様とは、めでたいもの、縁起の良いものを表した文様のことで、描かれるひとつひとつに人々の幸せを願う思いが込められています。中国清朝時代、歴代皇帝の庇護を受けてガラス製作が発展し、中でも色鮮やかで不透明なガラスを厚く被(き)せ、全体に吉祥文様を浮彫りにしたものが多く作られました。本展では、文様に託された吉祥の願いとともに、中国清朝ガラスの美と技をご覧ください。
作品紹介
展示室1 皇帝が愛したガラス
清王朝第4代康熙帝の時代、宮廷用器物の製造を管理する「造辨処(ぞうべんしょ)」のもとにガラス工場「玻璃厰(はりしょう)」が設置されたことで、清朝のガラス製造は飛躍的に発展します。工房では、透明なガラスだけでなく、不透明な玉や貴石を重んじる中国独自の美意識を反映させた色鮮やかなガラスや、異なる色を重ねる被せガラスが作られ、様々な吉祥文様が施されました。皇帝を示す「龍」は威厳のある姿で、皇后を表す「鳳凰」は美しい花々とともに彫り込まれ、長寿を祝う文様や邪を払い福を呼ぶ文様など、清朝ガラスの文様からは皇帝が安寧を願う思いを読み取ることができます。
サントリー美術館蔵(辻󠄀晴明コレクション)
サントリー美術館蔵
石川県能登島ガラス美術館蔵
撮影:岡村喜知郎
石川県能登島ガラス美術館蔵
撮影:岡村喜知郎
展示室2 切なる願い
生活の中で生まれる望みには限りがなく、不老長寿、立身出世、子孫繁栄、豊かさなどは人々が願ってやまないものです。中国では、様々な事物や事象に特定の意味や願いを託し、絵画や器物などで表現してきました。中国清朝のガラスでも、吉祥の意味を込めた動物や植物、魚、鳥や蝶などが彫り込まれ、中でも被せガラスを用いた作品では、色の組み合わせや彫りの深さによって色合いを変えながら多彩に表現されています。中国清朝ガラス独自の美と技を、吉祥の文様に込められた意味とともにご覧ください。
サントリー美術館蔵
石川県能登島ガラス美術館蔵
撮影:岡村喜知郎
白地五色被金魚文鼻煙壺/19−20世紀
たばこと塩の博物館蔵
たばこと塩の博物館蔵
たばこと塩の博物館蔵
会 期 | 2021年9月11日(土)~12月12日(日) ※9月30日(木)まで臨時休館につき10月1日(金)より開催予定 |
開館時間 | 9:00~17:00 (12月から16:30まで) ※入館は閉館の30分前まで |
休 館 日 | 9月21日(火)、10月19日(火)、11月20日(火) |
観 覧 料 | 一般800(700)円、中学生以下無料 ※高校生以上は一般料金 ※( )内は20名以上の団体料金 |
主 催 | 石川県能登島ガラス美術館(公益財団法人七尾美術財団) |
協 力 | サントリー美術館、たばこと塩の博物館 ※50音順 |
後 援 | 七尾市教育委員会、NHK金沢放送局、北陸放送、石川テレビ放送、テレビ金沢、HAB北陸朝日放送、エフエム石川、ラジオななお |
会期中イベント
吉祥文様の絵はがきづくり
日 時 9月19日(日)、11月21日(日)
各日 ①10:00~ ②11:00~ ③14:00~ ④15:00~
参加費 500円(高校生以上は別途要当日観覧券)
定 員 各回5名
対 象 子どもから大人まで
※当日受付ほか、事前申込み可能
図書館×美術館コラボ企画 絵本のじかん
日 時 10月10日(日)①10:30~ ②14:00~
場 所 七尾市立図書館 絵本コーナー
対 象 幼児から小学生までの親子
定 員 各回10組
参加費 無料
申込み 七尾市立図書館へ要事前予約 TEL:0767-53-0583 E-mail:tosho@city.nanao.lg.jp